気候変動などの環境問題に対して、包装資材の分野においても地球環境を守る素材の採用が求められています。
永谷園グループでは、商品の包材に環境配慮型素材を導入することで環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

気候変動の進行は、異常気象や生物多様性破壊を引き起こし、人々の暮らしはもちろん企業活動にも大きな影響を及ぼします。2015年には気候変動抑制の国際条約「パリ協定」が採択され、日本においては2020年10月、当時の内閣総理大臣が所信表明演説において、2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言しました。永谷園グループも気候変動の原因となるCO2排出量削減につながる省エネや創エネ活動に積極的に取り組んでいます。

環境に配慮した包装資材の採用

プラスチック使用量の削減

2022年9月、「フリーズドライみそ汁(粉末タイプ)」を、これまでのプラスチック製(袋形態)から紙製(箱形態)に変更しました。これにより年間12トンのプラスチック使用量を削減しました。

「カップ入生みそタイプみそ汁」のフタをプラスチック製から紙製に変更しました。年間12トンのプラスチック使用量を削減しました。

2022年度販売分から「煮込みラーメン」の調味ソース小袋のサイズを縮小しました。これにより年間10トンのプラスチック使用量を削減しました。

紙製の箱に変更 年間12トンのプラスチック使用量を削減
紙製のフタに変更 年間12トンのプラスチック使用量を削減
小袋サイズを縮小 年間10トンのプラスチック使用量を削減

バイオマス原料の使用

2017年より、徳用10食入みそ汁の外装袋にバイオマスプラスチックを使用した包材を使用しています。バイオマスプラスチックは、一部に植物由来の原料を使用することで枯渇性資源である石油の使用量を削減し、従来の石化由来のプラスチックよりCO2排出量を抑制できる環境にやさしい包材です。2021年4月より、そうざいの素やふりかけなどの主要商品のパッケージに、植物由来の資源を原料の一部に使用したバイオマスインキを使用しています。

バイオマスインキを使用した商品の一例

調理時における環境配慮商品

2023年3月に発売した「パキット」は、パキッと折ったパスタと水をパウチに入れ電子レンジにかけるだけで、パスタの茹でもソースの温めも同時にできる、専用パウチに入った“パスタソース”です。ガスコンロを使用して調理するよりもCO2排出量を約70%削減※1できます。
また、水の使用量も約95%削減※2できる、環境にやさしい商品です。
パスタ調理の新スタイル「パキット」は、日本食糧新聞社主催の第36回新技術・食品開発賞を受賞しました。

  • ※1家庭でパスタ(乾麺)を茹でる際に排出されるCO2排出量(当社調べ)
  • ※2パスタ(乾麺)調理時における水の使用量 (当社調べ)
    条件:パスタ、ソース調理ともに水 15℃、2ℓ の場合
「パキット」

生産工場の取り組み

再生可能エネルギーの導入

永谷園グループでは、脱炭素社会の実現に貢献するため、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの利用促進に取り組んでいます。永谷園フーズサンフレックス工場では、屋上に太陽光パネルを設置しています。2022年度は太陽光発電で230,298kWhを発電し、CO2排出量を約110トン削減しました。また、永谷園フーズ茨城工場では2022年1月よりトラッキング付・FIT非化石証書等が付与された実質再生可能エネルギーの電力に切り替えました。これにより年間約1,150トンのCO2排出量を削減しました。

再生可能エネルギーの導入

ボイラーLNG化

永谷園フーズサンフレックス工場は、2023年1月にボイラーの燃料を、重油から液化天然ガス(LNG)に切り替えました。1月~3月の3か月間でA重油の使用量を原油換算値27㎘削減、CO2排出量を約72トン削減しました。

  • ※ ボイラー:水などの液体を加熱することで蒸気や温水をつくる機械
ボイラーLNG化

間欠運転による電力の削減

永谷園フーズ岡山御津工場では、排水処理施設のブロワーの間欠運転を2022年7月より開始しました。工場周辺への臭気等の影響を考慮して夜間のみ実施しています。この取り組みにより年間で25,000kWhの電力を削減し、CO2排出量を約12トン削減しました。

  • ※ ブロワー:浄化槽に酸素の供給を行うことで水中の微生物を活性化し、有機物の分解を促進させる装置

LED照明への切り替え

永谷園グループの工場では、「長寿命」「省電力」「水銀を含まない」などの理由から、環境にやさしい照明であるLEDへの切り替えを進めています。永谷園フーズオクトス工場では、2022年度に230灯をLED照明に切り替え、年間約30,000kWhの電力を削減し、CO2排出量を12トン削減しました。

LED照明への切り替え

物流の取り組み

永谷園では、輸送手段をトラックから環境負荷が少ない船舶や鉄道への輸送に転換する「モーダルシフト」に取り組んでいます。2022年10月に、群馬県~佐賀県の倉庫間輸送をトラック輸送から、船舶輸送に転換しました。この取り組みによりCO2排出量を年間約80トン削減できる見込みです。

プラスチック低減の取り組み

麦の穂(現DAY TO LIFE)のビアードパパ店舗では、2022年6月から順次、紙箱を持ち手付きに変更することでビニール袋の使用量を低減しています。

プラスチック低減の取り組み